カテゴリー別アーカイブ: ブロックチェーン

スポーツチームにブロックチェーン上で投げ銭をする「エンゲート」

SHOW ROOM のように、投げ銭をする仕組みは既ににありますが、ブロックチェーンを使ってスポーツチームを応援する「エンゲート」というサービスが、ベータオープンしているようです。

https://engate.jp/

アクセスすると、応援できるチームが並んでいます。女子プロレスもあるのか・・・。
パブリックブロックチェーンには、NEMを採用しているそうです。あまり見たことがなかったですね、NEM採用サービスは。下記の記事でその理由が紹介されてますが、何でも手数料がNEMは安いんだそうです。
エンゲートが切り開くNEMブロックチェーンによるスポーツとトークンエコノミーの世界
NEM採用の技術サイドからの理由としては、トークン発行をするシステムの実装が簡単であるそうです。そうなのか・・・・。Ethereumは割りと敷居高めですからね。ちょっと使ってみたい気もします。

仮想通貨を持たないユーザーが参加できる

エンゲートの一番のポイントは、実はここじゃないかと思ってます。予想通りとはいえ、ビットコインを使える店なんてまったく増えない。Ethereumも使えないですが、PrasmaやRaidenなど期待したい。でも、まだできていない。そんな中で、日本円で参加できるのは大きいと思います。サービス内容も、スポーツチームの応援と参加しやすいものとなっています。
Qiitaに、EthereumについてEtherを持ってないユーザーをどうするか問題のエントリがありました。エンジニアとしても、こうやって試行錯誤したい。
https://qiita.com/doskin/items/5764c55e2bdd528db4ed

投機的な行動は抑制されている

サービス内でクレジットカードを使ってポイントを購入します。ポイントはエンゲート内でのみ使用でき、フィアット通貨などとは結びつかないようです。これにより、VALUのような投機的な胡散臭い行動を取ることは、抑制されます。まあ、こういう応援系のトークンに投機の意識が入るのは、よくないですな。サービスが、チケット転売ヤーのような敵意を持たれないためにも。

ブロックチェーンの使用意義

エンゲートの発行トークン(ポイント)が実経済で価値を持たないことにより、ブロックチェーン使用の意義は、投げ銭行動のブロックチェーン上への記録になります。
このブロックチェーンにパブリックなNEMを採用したことにより、エンゲート社内にプライベートチェーンもしくは既存型のDBサービスを構築して運営する場合に比べて、ユーザー候補に対する信頼度(心理的)が高くなります。
この、「ブロックチェーンだと信頼する」については、いろいろ考察しているところです。

購入できるポイント

ギフティング1

盛り上がっているときはこいつら。


ギフティング3

ちょくちょく投げるタイプ。


ギフティング3

Booもあるでよ。


お値段は、10,800ポイントの購入プランで、11,800円となっています。500ポイントプランが、600円です。

ポイントランキング

ポイントランキング

獲得ポイントによるランキングです。これは投稿時点の名古屋グランパスのキャプチャ。

リワード

ポイントへのリワード

投げたポイントに対するリワードもあります。名古屋グランパスのリワード画面のキャプチャ。


投げたポイントの上位にリワードを出すというのは、少し投機を呼び込む可能性があるか?
ありがちに、この界隈はデザインは手抜きですね。 だけど、ユースケースとしては注目して行きたいと思います。

ブロックチェーンOracle問題のソリューション、Realitio

ブロックチェーンのOracle問題というものがあります。ブロックチェーンにチェーン外の情報を取り入れるとき、その情報の正しさをどう担保するのか?という問題です。
Oraclizeが代表的なOracleのソリューションですが、去年からRealitioというOracleプロジェクトに協力させてもらってます。Edmund Edgarさんのプロジェクトになります。チェーン外の情報の正しさを確かめるのに、OraclizeはTLSNotary Proofなどの情報科学の手法を使ってますが、Realitioは報酬とボンドによる動機付けを採用しています。

https://realit.io/

何度かの修正を経て、現在Ethereumのメインネットでリアルマネーテストを行っています。
ユーザーがやることの流れとしては、次のようになります。

  1. 質問者は、カウントダウン期間や報酬額(ETH)などいくつかの設定をして質問を投稿する。
  2. 回答者は、ボンド(ETH)を設定して答えを投稿する。
  3. 2.の答えに対抗する回答者が現れずにカウントダウン期間が過ぎたら、2.の答えがファイナルアンサー
  4. 対抗したい回答者は、2.のボンド額の倍以上を設定して自分の答えを投稿。このとき、カウントダウン期間はリセットされる。
  5. カウントダウン期間が過ぎるまで4.を繰り返し
  6. ファイナルアンサーを投稿した回答者には、質問者が設定した報酬とそこまで連なった回答のボンドの総額(ETH)が、送られます。
  7. 調停者(アービトレーター)に調停を依頼することも出来ます。この場合、調停者がファイナルアンサーを決めることになります。

ETHを獲得できるという動機付けで、正しい答えを投稿することを促す仕組みになってます。興味のある方は、White paperを読んでみてください。
Oraclizeがアルゴリズムで外部データを検証しているのに対して、Realitioは人間を経済的に動機付けてデータの正しさを担保しようとしてます。これはEthereum開発者のVitalikのSubjectivocracyというブログポストに影響を受けています。TLSNotary Proofがどういう仕組みなのか知らないのですが、どうも100%情報の正しさを証明するわけではないみたいです。だから、人間で確かめるか機械で確かめるか、面白い試みだと思います。
いまのところ投稿されている質問は、こんな感じです。

  • Did the price of ether (ETH) fall below $100 on Coinbase at any point in 2018?
    (CoinbaseでのETHの価格が、2018年内に100ドルを下回るか?)
  • Did North Korea stop their nuclear weapons program by September 1st, 2018?
    (北朝鮮は今年の9月1日までに核兵器開発プログラムを停止したか?)
  • Did Donald Trump say “everybody would be very poor” if he was impeached?
    (トランプ大統領は、「私を弾劾すれば皆貧しくなるだろう」といったのか?)
  • Who won the 2018 NCAA basketball championship?
    (2018年のNCAAバスケットボールのチャンピオンはどのチームか?)

どう機能していくかは、質問と回答がもっと集まらないと何とも分からないですね。
オリジナルのContractを作ってRealitioと連携することもできます。また、調停者には人間でもContractでもなることができます。Edgarさんは、Realitioとリアルな機関との提携も視野に入れているみたいです。

Onokuwaのクリエイター支援通貨 CLAP

Onokuwaという会社が、CLAPという仮想通貨とそれを使うアプリをリリースしている。なんでも、クリエイターとファンを繋ぐ経済圏を作ることが目的だそうだ。当ブログも経済圏の創出を目指しているので、興味がある。
CLAPはVALUと違って、円やビットコインと紐づかないという特徴があって、これは凄く好ましいことと思う。CLAPを獲得するには、現実世界のどこかにある「CLAP SPOT」に足を運ばないといけない。そこでQRコードを読み込むことになるよう。
(※いつの間にかアクセスできなくなってました。Onokuwaに何があったのか?)

http://www.clapworld.io/

CLAPを手に入れると何が出来るのかは、定かではない・・・。足を運んだ先のクリエイターさんの特典なり、手に入るのかもしれない。何しろ経済圏を作りたいらしいし、オリコンなんかに代わる評価指標になりたいといってるので、いろいろ企画をしているのだと思う。
コラボをしている音楽グループとして、Miliがいる。
http://projectmili.com/

ビジュアルとしては、こういうプロダクトに似合う系統。個人的にも好み。曲はまだ聴いてないw
ブロックチェーン屋さんとしては、ブロックチェーンをどういう状態で組み込んだ設計をしているのか、そこが知りたいんだが、情報がない・・・。
4月のTechCrunchの記事 によると、こんなふうに書いてあるが・・・。

森川氏は「新しい価値指標としてのCLAPには、透明性と特定の機関に依存しないことを求めて、ブロックチェーンを使うことを選んだ。ブロックチェーンを利用することで、指標をグローバルに広めることもできる」と話している。「またブロックチェーンは個人間のP2P取引に用いられる仕組み。たまったCLAPをファンからクリエイターへ、クリエイターが別の才能を持つクリエイターへ、という形でやり取りすることで、価値を個人間で流通させることも目指している」(森川氏)

ブロックチェーンを採用しても、自動的に透明性や非中央集権制が確保できるわけではない。パブリック型・コンソーシアム型・プライベート型で、また、合意形成のアルゴリズムの種類で、その辺の性質は変わってくる。もっというと、Ethereumやビットコインのフォーク騒ぎを見れば分かるように、コミュニティのガバナンスが大きく影響してくる。
もし、CLAPに採用されているブロックチェーンが、株式会社Onokuwaが単独で運用するプライベートチェーンならば、一般ユーザーから見れば、それは単に株式会社Onokuwaを信用するだけの話で、ブロックチェーンかどうかはあまり意味がないんだよなあ。このケースでは、ブロックチェーンで動いていようが、WEB+DBで動いていようが、
ブロックチェーンなら何となく新しいから信用できそう
くらいのイメージ以上の違いはないのだ。完全プライベートチェーンで意味のあるユースケースはほんとう難しくて、こないだ「おお!!これは!!!!!!!」みたいな、プライベートチェーンならではの社内アプリ(そう、社内向けだからプライベートチェーンが生きるのだ)がスタートするかと思ったら、以後音沙汰なしてガッカリしているくらい。
オリコンに代わる指標を作るという意志があるみたいなので、そこはブロックチェーンを使う意味が出てきそうだけど、やっぱりそこでもプライベートなのかパブリックなのかコンソーシアムなのかってことは、変わらず問題なのだよなあ。
やりようによっては、コンソーシアム型チェーンで評価指標を作るのはありえると思う。
とりあえずCLAP、落としてみます。参加クリエイター、増えますように。

貧民的DAppsプログラミング

ビットマップによる注文情報保持

前回の続きです。Gasを節約しつつ、オーダーブックをオンチェーンで保持する方法の解決編です。
アセンブラやC言語でプログラムを書いていた(る)人は、ビット操作というものに馴染みがあると思います。ブロックチェーンで、Gasを節約しながらできるだけ大きめのデータを扱おうとするとき、ビットマップで何とかできないかと考えると、けっこう解決できることがあります。大きめのデータを圧縮した形にしたり、複数回の操作を1回にまとめられたりします。
このやり方は、オーダーブックで扱う価格に制限をかけることで実現できます。

  • 価格の範囲を 0.000001 ~ 1000000(106~10-6)に制限する
  • 有効数字3桁とする

株のことはよく知らないんですが、こういう制限をしても問題にはならないようです。
この制限によって、とりえる価格が 10800 種類に制限されます。これを、10800ビットのビットマップで表現します。”1″のビットはその価格で注文があり、”0″のビットは注文がない価格です。

オーダーブックのビットマップ

とりえる価格を制限したオーダーブックを、ビットマップで表現した図(出典:https://ubitok.io/2017-08-24-maintain-order-book-blockchain-bitmap/


最小の価格が一番左の0.000000100、最大の価格が一番右の999000、中間付近に1.23があるということですね。有効数字3桁に制限されているので、997000、998000、999000という並びになるんだと思います。有効数字とか懐かしい・・・。最小価格も同じでしょう。
Solidityで実装するなら、uint256の43要素の配列を使えばよいわけです(10800 / 256 = 42.1875)
ヤック・デカルチャー・・・(最近マクロスFにハマっています)
ビットマップを使うことまでは、いつも最初に思い浮かびはしますが、株の価格をこんな形で保持する発想は、Web屋の脳のままでは難しいでしょう。作ろうとしているシステムで受け入れられる制限を考えて、ビットマップに落とし込む方法を考えるのは、なんだか楽しそうです。(雑誌のアセンブラコードを読んで悦に入っていただけの)昔を思い出します(笑)。
ビットマップオーダーブックから注文を検索するSolidityコードについては、次の上のURL下部にアイディア部分だけ示したものが、下のURLに全体が掲載されています。
https://ubitok.io/2017-08-24-maintain-order-book-blockchain-bitmap/
https://github.com/bonnag/ubitok-contracts/blob/master/contracts/BookERC20EthV1.sol
富豪的プログラミングがどうこうと、2000年代にいわれてました。ブロックチェーンプログラミングでは、けっこうチマチマと節約しながらプログラムするシーンが戻ってきたようです。